トップマネージメントメッセージ

更新日: 2016年7月20日

画像:代表取締役 社長執行役員 貝沼 由久 2016年3月期は、世界経済の成長が当初期待されておりましたが、期後半には中国を中心とした新興国経済の減速と資源価格の大幅な下落、さらには急速な円高の進行により先行きの不透明感が強まりました。
ミネベアは、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してまいりました。この結果、売上高は6,098億円となり、創業以来はじめて6,000億円を超えました。営業利益は514億円、純利益は364億円となり減益となりました。

2016年3月期の主な施策

2016年3月期は、ボールベアリングの外販数量の拡大を進め、単月ベースで過去最高を達成しております。また、モーター事業の収益改善が進展してきており、センシングデバイスと呼ぶようになった計測機器では、Sartorius Mechatronics T&H(Sartorius MTH)グループの買収や既存の事業が着実に効果を出し、すばらしい業績になっています。一方でスマートフォン(スマホ)市場の減速と主要顧客の生産調整により、LEDバックライトは計画未達となりました。
機械加工品分野では、当社グループの主力製品であるボールベアリングの月平均外販数量は14四半期連続で前年同期比を上回っており、好調な売上を継続しております。航空機に使用されるロッドエンドベアリングも売上を増加させており、今期以降は日本とタイの生産能力を大幅に拡張する為に積極投資を計画しております。ハードディスク駆動装置(HDD)用ピボットアッセンブリーは生産効率の改善を進めましたので、世界シェアのさらなる引き上げに取り組んでおります。
電子機器部品分野では、LEDバックライトで培った導光板の技術・樹脂成形技術を応用し、業界初となる光の配光角を自動で可変できるLED照明器具「SALIOT(Smart Adjustable Light for the Internet Of Things、サリオ)」を開発し、量産・販売を開始いたしました。また、2014年に資本参加いたしましたスイスのPARADOX ENGINEERING SA社(PARADOX社)の資本参加比率を引き上げ100%子会社といたしました。PARADOX社のワイヤレス技術およびネットワーク技術と当社の照明技術を組み合わせて、高効率なLED街路灯の開発に取り組んでおります。
当社はこの高効率街路灯の導入業者としてわが国環境省の「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism, JCM)を利用したプロジェクト設備補助事業」において採択されており、カンボジアの首都にて無線制御技術を用いた「プノンペンスマートシティ構想」を推進しております。
モーター分野においては自動車向けを中心に売上が増加し、収益改善が進展しました。HDD市場はトレンドとして数量が落ちていますが、その中でもハイエンドへの需要は堅調に増えています。当社のHDDスピンドルモーターもハイエンドに特化していますので、市場のニーズに対応し、高品質な製品を提供し続けて参ります。

2016年3月期を振り返って

日本経済は、期当初は円安・株高、原油価格安を背景に高い成長が期待されていましたが、春先から夏場にかけて個人消費、設備投資、輸出が伸び悩む等景気の低迷が見られ、期後半には中国を中心とした新興国経済の減速と資源価格の大幅な下落、さらには急速な円高の進行により先行きの不透明感が強まりました。米国経済は、サービス業を中心に堅調に推移し、雇用環境の改善を背景に家計部門を中心とする景気拡大が続きました。欧州経済は、域外輸出に減少が見られましたが、域内消費主導で緩やかな景気回復が続きました。一方、アジア地域の経済については、中国の抱える過剰設備や不動産開発投資減速の実態が徐々に明らかになるにつれ、景気の先行きに対する不透明感が増大しました。アセアン諸国は、中国への依存度が高いことから同国向けの輸出が伸び悩みましたが、公共投資や消費刺激策等の政策による下支えもあり、緩やかな回復が続きました。
当社グループは、かかる経営環境下で、収益力のさらなる向上を実現するために、徹底したコスト削減、高付加価値製品と新技術の開発及び拡販活動に注力してまいりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、内製部門を「電子機器製造本部」に含める等の会社組織の変更を行い、これに伴い、セグメント情報の変更を行っております。機械加工品セグメントでは、当社グループの主力製品であるボールベアリングのほかに、主として航空機に使用されるロッドエンドベアリング、HDD用ピボットアッセンブリー等のメカニカルパーツ及び自動車用と航空機用のねじであります。主力製品であるボールベアリングは、全ての主要市場において需要が好調に推移し、売上、利益ともに増加しました。航空機に使用されるロッドエンドベアリングの売上は、省エネ化の需要が強い民間機向けを中心に増加しました。ピボットアッセンブリーは、HDD市場規模縮小の影響を受け売上がわずかに減少しましたが、生産効率の改善が進み、営業利益は増益となりました。
電子機器セグメントは、電子デバイス(液晶用バックライト、計測機器等)、HDD用スピンドルモーター、ステッピングモーター、DCモーター、ファンモーター、精密モーター及び特殊機器が主な製品であります。液晶用バックライトは、スマートフォンの高級志向が進む中、薄型技術に優位性を持つ当社製品の需要拡大と購入部品増加による販売単価の上昇がありましたが、期後半に主要顧客からの当初要求数量と実際の販売数量との間に想定以上の大きなかい離が生じたことにより、売上は前連結会計年度に比べ大きく増加したものの当初見込みを下回り、利益も前連結会計年度比では大きく減益となりました。計測機器は、前期に買収したSartorius MTHグループの貢献もあり、売上と利益が共に大きく増加しました。HDD用スピンドルモーターはHDD市場規模縮小の影響を受け売上はわずかに減少しました。ステッピングモーターは、OA及び自動車向けを中心に売上、利益ともに増加しました。
その他のセグメントは、自社製機械が主な製品であり、増収となりました。

2017年3月期の業績見通し(2016年5月時点)

2017年3月期の日本経済は、国内外の需要は堅調に推移するものと見込まれますが、金融・財政政策の先行き不透明感があり、急激な円高等による景気減速の懸念があります。米国経済は、個人消費が下支えとなり、今後も緩やかな景気回復は続くと予想されます。一方、欧州では、内需主導の緩やかな景気回復が続くと見込まれますが、難民急増問題、英国のEU離脱問題等不透明感が高まっています。アジア経済では、中国の成長率鈍化もあり、景気の減速が予想されます。
このような状況の中で、当社グループは、ボールベアリング、モーター等の売上の好調が予想されるものの、直近の経済環境と為替レートを考慮の上、保守的に予想し、2017年3月期は、売上高5,600億円、営業利益450億円、経常利益440億円、純利益310億円を見込んでおります。なお、上記の業績見通しには、当社とミツミ電機株式会社との経営統合による影響は織り込んでおりません。
機械加工品セグメントでは、主力製品であるボールベアリングは、世界的な需要の増加に合わせて、引き続き自動車業界、情報通信機器関連業界等への積極的な拡販と新製品の投入と新市場への参入を進め、業績のさらなる向上をはかります。また、ドイツ子会社のmyonic社では、より高付加価値な特殊ベアリング分野での拡販を見込んでおります。ロッドエンドベアリングについては、世界規模での生産、効率の向上をはかり、納期及びコスト面での優位性を強化し、成長する航空機市場向けの拡販をはかります。
電子機器事業セグメントの主力製品である液晶用バックライトは、ハイエンドスマートフォン(スマホ)向けの超薄型導光板等の高付加価値製品の供給力増強に努めており、積極的な拡販及び新製品の投入を進めることで、売上、利益の維持、改善を見込んでおります。計測機器については、センサーとしての機能を活用した新製品の開発と自動車市場向け製品の拡販を進めます。ステッピングモーター及びHDD用スピンドルモーターでは、さらなる品質の向上と原価低減をはかり、自動車、サーバー向け等の高付加価値製品の拡販を進め、さらなる業績の向上をはかります。
その他のセグメントでは、自社製機械の部品精度の向上に注力することで、完成品部門での生産効率の改善とさらなる品質の向上を目指します。

売上および営業利益の目標と新「5本の矢」戦略

2016年3月期は創業以来はじめて売上高6,000億円を越えました。当社は、売上高1兆円または営業利益1,000億円のどちらか早い方を2020年3月期までに達成するという中長期の目標を昨年発表しましたが、この大きな目標を達成するために、高付加価値製品の開発を含めた従来製品の一層の収益向上と、機械加工製品技術と電子機器製品技術が融合された複合製品事業も含めた事業ポートフォリオの再構築を検討し、製造、営業、技術及び開発の、領域を越えた総合力の発揮により、「顧客要求対応力」と「価格対応力」の強化に努めます。さらに、地域的なリスク検討を行いながら、大規模な海外量産工場の展開と研究開発体制を整備するとともに、M&A・アライアンスを通じて、事業ポートフォリオの再構築及び企業価値の拡大を積極的に進めてまいります。これらを具体的に推し進め、業績の一層の改善をはかるため、下記に示す2018年3月期を目標とする新「5本の矢」戦略を設定し、その執行に取り組んでまいります。

新「5本の矢」戦略

  • ① ボールベアリングの外販目標数量を月平均1億8千万個とする。
    ベアリング事業では順調に販売拡大が進み、既に単月ベースでは外販1億6千5百万個を達成しております。今後徹底的な市場の掘り起こしと新用途の開発により月平均1億8千万個の外販を目指します。
  • ② 複合製品の開発、拡販を行い、"Electro Mechanics Solutions®"をさらに加速する。
    既に計画を上回る実績をあげておりますが、より複雑化、高難度化する複合製品に向けた技術力を確立することにより、さらなる新製品の開発と拡販を目指します。
  • ③ 照明器具及びその部品の事業基盤を確立する。
    連結子会社であるPARADOX社のワイヤレス通信技術と当社の光学、精密加工技術を融合し、スマートシティ、新型LED照明器具SALIOT(Smart Adjustable Light for the Internet Of Things)等の事業を進めます。
  • ④ 計測機器関連製品の年間売上目標を500億円とする。
    Sartorius MTHグループと合わせて、年間売上目標を500億円とします。
  • ⑤ 航空機部品事業の売上目標を700億円とする。
    連結子会社であるCEROBEAR社とグローバル・プレゼンスを生かしたシナジー効果の最大化により、民間航空機向け需要の掘り起こしと新型モデルへの対応を行い、ロッドエンドベアリングなどの航空機部品事業として700億円の売上を目指します。

※「Electro Mechanics Solutions」はミネベア株式会社の登録商標です。

また、当社とミツミ電機株式会社は2017年3月17日を効力発生日とする経営統合契約及び株式交換契約を締結致しました。両社はそれぞれの事業領域における課題に取り組み、業績の拡大、企業価値の向上を目指すとともに、更なる事業の継続的な成長や発展の加速化を実現すべく、他社との統合を含めたアライアンスを検討してまいりました。その結果、両社は業種こそ近いものの重なり合う部分が少なく、さらに兼ね備える競争力の源泉が異なるため、本格的に協業を行うことで、両社における量産、販売、調達、製品開発の面で大きなシナジーを創出することができるとの認識に至りました。特に、ミツミ電機の様々な開発技術とその製品を、ミネベアの内製組み立て装置・金型設計・製造力、海外工場における量産力と結びつけることで、顧客基盤・販売の拡大、製造コストの低減、革新的な製品の投入・ソリューションの提供などにつながり得ると考えております。かかる状況下において、両社での議論を通じ、アナログとデジタルの融合によって真のソリューションカンパニーを目指していくことが企業価値を最大化させる方策であるとの共通認識を持つに至り、対等の精神に基づく経営統合の実現に向けて、本基本合意締結時より両社経営陣の間で複数回にわたり協議・検討を重ねてまいりましたが、本経営統合及び本株式交換を行うことについて最終的な合意に至りました。

画像 : ミネベアの超精密機械加工技術とミツミ電機のエレクトロニクス技術の相乗効果

情熱は力、情熱はスピード、情熱は未来

当社グループは、ニッチ市場で高い技術力と大量生産による製品供給力を発揮することで、高いシェアをもつ製品を増やす戦略によって「ミネベア100周年」に向けた基礎固めを着実に進めてまいりました。
2016年3月期は過去最高の売上高を達成いたしましたが、「1 and/or 100 by 2020」というさらに高い中長期目標を掲げております。つまり、売上高1兆円または営業利益1,000億円のうちどちらか早い方を達成するという目標です。
当社の製品は主力のミニチュア・小径ボールベアリングをはじめとして、HDDピボットアッセンブリー、航空機用ロッドエンド、高級薄型スマートフォン用LEDバックライトなどの製品で高い市場シェアを実現しています。これらの製品に加えて、新しい製品を数多く増やすことで、100周年を迎える未来の世界に、「なくてはならない部品メーカー」となることを目指し、従業員一同たゆまぬ情熱をもって邁進していく所存です。

株主の皆様には、ミネベアグループに対し引き続きご理解とご支援を承りますようお願い申し上げます。

2016年7月20日
代表取締役  社長執行役員
画像:代表取締役 社長執行役員 貝沼 由久

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